私にとって、今日という日はあなたを思い出すためにあります
だから少しだけ、あなたに話をしようと思います


けさ、先生が亡くなったと電話がありました
しばらく前から病院に罹っていて、でも、自殺だったそうです
冬の長野で過ごした日々のことが、きのうのことのように思う
彼女のきらきら輝く短い髪や、はつらつとした笑顔や、
機を織る細い指や、柔らかな声が鮮やかによみがえって、
私は涙がとまりません
彼女は私の憧れで、とても厳かな存在でした
知性と生命力の象徴のような女性でした

信じられないのです
それなのに、もうずっと涙が



私に何かができたわけではないけれど、それでも愚かしく後悔してしまうことを
あなたはどんな風に思うでしょうか
正しさを求めることだって逃避なのかもしれないけれど、
慰めなんていちばんほしくないの
最愛の祖母の死でさえ、私はまだ現実として受けとめられないまま
祖母の姿をさがして、ひんやりとしたキッチンを、草木が生い茂る広い庭を、
森の奥のお社までの砂利道を、ひとり歩き回ってしまいます
「そこにいない」、それだけが現実で、
私はひどく混乱します
心が砕け散ってしまうくらいひどくくるしくて、
たぶんもうマトモな涙すら流せなくなっています

ずっとずっとむずかしいことなのです
今の私には、それしかわからない



今夜は、たった二人だけの友人にクリスマスカードを書き、
仕事で帰ることができない恋人に明るいメールを送ります

そして、憎しみと愛情を、過去と未来を、生と死を、
あなたというただ一人の友だちだけに重ね、祈ります

どうかあなたの冬が、たくさんのあたたかい光で満ちますよう

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年7月  >>
293012345
6789101112
13141516171819
20212223242526
272829303112

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

この日記について

日記内を検索